個人頂点の100%グループ内の「法人による完全支配関係」に新寄附金税制
国税庁、法人税基本通達改正でグループ税制の取扱いを明らかに

 国税庁は7月16日、平成22年度税制改正で導入されたグループ税制に関する取扱いなどを定めた改正法人税基本通達を公表した。
  同通達では、本誌既報のとおり、個人を頂点とする100%グループ内の「法人による完全支配関係」にも新寄附金税制が適用されることが明らかにされたほか、配当に係る益金不算入規定を適用しないこととなる「自己株式として取得されることが予定される株式」として、「上場会社等が自己株式の公開買付けを行う場合における公開買付け期間中に、法人が取得した当該上場会社等の株式」が例示されている。

公開買付けは「取得予定」の一例に過ぎず
  グループ法人税制に関しては、法令上の解釈が不明確とされる部分も指摘されていたが、そのなかで焦点の1つとなっていたのが、個人による完全支配関係と法人による完全支配関係がともに成立する場合における新寄附金税制の取扱いだ。新寄附金税制では、「法人による完全支配関係」が適用要件とされるが、本誌既報のとおり(362号4頁参照)、通達では個人を頂点とする100%グループ内にある「法人による完全支配関係」に対しても新寄附金税制が適用される旨を明らかにしている(法基通9−4−2の5)。新寄附金税制では「寄附が行われた2法人間の関係」が問題とされることから、個人による完全支配関係が同時に成立していても新寄附金税制が適用されるとの解釈に至ったと考えられる。
  また、平成22年度税制改正では、法人が、株式の発行法人によって自己株式として取得されることが「予定されている」株式を取得した場合、その発行法人による取得によってみなし配当が生じたとしても、そのみなし配当については配当に係る益金不算入規定を適用しないとされたが(法法23B)、通達では、「自己株式として取得されることが予定されている」株式の例示として、「上場会社等が自己株式の公開買付けを行う場合における公開買付け期間中に、法人が取得した当該上場会社等の株式」を挙げている(法基通3−1−8)。
  ただ、ここで気になるのは、公開買付けの対象とならない有価証券報告書の提出義務のない会社による自己株式取得スキームでは、法人税法23条3項が適用されないのかという点だ。この点、通達の6行目には「例えば」とあるように、公開買付けは一例に過ぎないことが本誌取材により確認されている。非上場会社が合併や株式交換などの組織再編を行うと、会社法上、反対株主の買取請求権が発生する。反対すれば買取請求できるので(会社法797条等)、これも「自己株式として取得することが予定されている」場合に該当することになろう。

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週刊「T&A master」364号(2010.7.26「今週のニュース」より転載)

(分類:税制改正 2010.9.10 ビジネスメールUP! 1449号より )

 

 
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