輸出免税制度の悪用で消費税の不正還付を受けるケースが
国税庁、平成21事務年度における法人税等調査事績を公表

 国税庁が11月4日に明らかにした「平成21事務年度における法人税・法人消費税の調査事績の概要」によれば、13万9,000件について実地調査が行われ、申告漏れ所得金額は2兆493億円であることがわかった。調査による追徴税額は3,799億円だった。
  なお、国税庁によれば、消費税については、輸出免税制度を悪用した事案が多かったとしている。

調査1件当たりでは過去最高
  平成21事務年度では、13万9,000件について実地調査が行われ、このうち何らかの非違があった法人は10万件にのぼり、申告漏れ所得金額は2兆493億円(前年対比154.6%)であった。調査による追徴税額は3,799億円(同116.1%)だった。なお、調査1件当たりの申告漏れ所得金額は過去最高の1,474万1,000円となっている。
  消費税については、13万1,000件の調査が行われ、7万2,000件で非違があり、追徴税額は614億円(同103.2%)にのぼった。
  また、源泉所得税に関しては、18万6,000件の調査が行われ、5万件で非違があり、追徴税額は379億円(同89.6%)だった。

バー・クラブが1位
  なお、法人税の調査の結果、不正発見割合の高い業種は「バー・クラブ」(57.9%)、「パチンコ」(48.7%)、「廃棄物処理」(35.0%)、「再生資源卸売」(33.6%)、「土木工事」(31.9%)の順であった。

大口還付があれば必ず原因を究明
  国税庁によれば、平成21事務年度では、大口・悪質な不正計算が想定される事案に加え、無申告法人、海外取引法人、公益法人等に重点を置いて調査が行われている。
  たとえば、消費税の不正還付金の防止に努めることを目的とし、消費税の還付申告を行っている1万9件について調査。このうち、不正還付があったのは1,012件で、追徴税額は27億4,700万円(対前年比77.0%)だった。不正還付の事例では、架空仕入などにより輸出免税制度を悪用し、国内取引を輸出取引に仮装するなどして不正に還付金を受けるケースが多発している模様(参照)。国税庁も大口の還付金があるケースについては、必ず原因を究明することとする方針を示している。

無申告法人に対する調査は3,418件
  無申告法人に対する実地調査件数は3,418件。このうち意図的な無申告法人は295件であり、法人税追徴税額は29億8,600万円(対前年比88.5%)となっている。

特許権の使用料に対する課税漏れなど
  海外取引法人等に対する調査件数は1万3,145件。海外取引に係る申告漏れ件数は3,256件、海外取引に係る申告漏れ所得金額は8,014億円(対前年比366.4%)にのぼっている。このうち、不正計算を行っていたのは573件で、不正脱漏所得金額は270億円(同118.4%)だった。不正計算については海外取引先を利用して架空の外注費を計上するケースが見受けられたという。昨今では、租税条約等に基づく情報交換制度を活用する事案も増加している。
  また、国際的な取引に対する源泉所得税では、1,472件から268億6,900万円(同70.9%)の課税漏れ支払金額が把握され、41億4,000万円(同70.2%)の追徴課税が行われている。国税庁によれば、特許権の使用料に対する課税漏れや租税条約の適用誤りによる課税漏れが多かったとしている。

売上2億円以上の大規模公益法人が中心
  公益法人等については、事業規模が大きい法人などを中心に調査が行われている。事業規模については、収益事業の売上の2億円を1つの目安にしている。平成21事務年度では、1,361件の実地調査が行われ、このうち大規模な公益法人等への実地調査は591件。収益事業に係る収入計上漏れなど、申告漏れ所得金額は135億3,200万円にのぼっている(対前年比132.1%)。

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週刊「T&A master」378号(2010.11.15「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2010.12.27 ビジネスメールUP! 1492号より )

 

 
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