非財務情報で1株当たり四半期純利益金額等を開示
注記の大幅簡素化など、四半期連結財務諸表規則が改正

 四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(内閣府令第10号)が3月31日に公布された。企業会計基準委員会(ASBJ)が3月25日に改正した四半期財務諸表に関する会計基準等を踏まえた見直しである。スコープでは、改正の概要などを紹介する。

四半期会計基準の改正を踏まえた見直し
 今回の四半期連結財務諸表規則等の改正は、企業会計基準委員会の見直しを踏まえたものとなっている(本誌395号、397号参照)。
 同会計基準と同様、四半期連結累計期間に係る四半期連結損益計算書のみの作成を義務付け、四半期連結会計期間(3か月)に係る四半期連結財務諸表の作成を任意とする。また、四半期連結累計期間に係る減価償却費とのれんの償却額(負ののれんの償却を行っている場合にはその償却額を含む)の注記を前提に、第1・第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書の作成を任意とする。
 なお、開示の首尾一貫性の観点から、第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成した場合には、第3四半期についても四半期連結キャッシュ・フロー計算書の作成を求めている(参照)。
 ただし、第3四半期に大規模な企業結合が行われたなど、四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成することが実務上困難な場合は除くとされており、この場合は、作成することができない旨およびその理由を注記することになる。一方、四半期連結損益計算書(3か月)等については、首尾一貫性の措置は講じられていない。
 注記についても資産除去債務に関する注記の削除など、大幅な簡素化が行われる。適用は平成23年4月1日以後開始事業年度の四半期報告書からとされている。

四半期報告書の開示項目を大幅に簡素化
 また、四半期報告書(第四号の三様式)の開示項目についての簡素化も行われる。たとえば、@「主要な経営指標等の推移」は、記載対象期間を四半期連結累計期間、前年同四半期連結累計期間および最近連結会計年度に変更、A「関係会社の状況」「従業員の状況」「株価の推移」は、記載を不要とする、B「事業の内容」は、当四半期連結累計期間に重要な変更等があった場合に記載する、C「生産、受注及び販売の状況」「設備の状況」は、当四半期連結累計期間に著しい変動があった場合に、「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」において記載する、D「新株予約権等の状況」は、当四半期会計期間中に新株予約権証券が発行された場合に、その内容等を記載することになる。
 このうち、@の「主要な経営指標等の推移」では、1株当たり四半期純利益金額等については、当四半期連結会計期間よび前年同四半期連結会計期間に係るものについても記載を求めている。
当四半期のみが監査証明の対象
 そのほか、四半期財務諸表会計基準で比較情報の考え方が取り入れられ、また、監査基準において、監査意見では当期の財務諸表に対してのみ言及し、比較情報には言及しない方式が取られた。これを踏まえ、四半期連結財務諸表等について、当四半期のみを監査証明の対象とすることとされている(中間連結財務諸表等も同様)。

四半期財務諸表における開示の簡素化(注記不要等となった項目等)
開示対象特別目的会社、簡便な会計処理、セグメント情報等(累計期間のみ注記)、金融商品(四半期貸借対照表計上額と時価との差額および前連結会計年度に係る連結貸借対照表計上額と時価との差額に重要性が乏しい場合には、注記の省略可)、金融商品に関する注記等の特例(総資産の大部分を金融資産が占め、かつ、総負債の大部分を金融負債および保険契約から生じる負債が占める場合(銀行・保険会社・証券会社・ノンバンク等)以外は、第1および第3四半期における金融商品等の注記の省略可)、ストック・オプション、取得による企業結合(プロフォーマ情報の注記は不要)、逆取得となる企業結合、資産除去債務、賃貸等不動産、担保資産、手形割引高及び裏書譲渡高、1株当たり純資産額、1株当たり四半期純損益金額(累計期間のみ注記)、潜在株式調整後1株当たり四半期純利益金額(累計期間のみ注記)、季節的変動(累計期間のみ注記)、現金及び現金同等物の四半期末残高と四半期貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係(第1および第3四半期にキャッシュ・フロー計算書を作成しない場合は不要)、発行済株式・自己株式数(種類・総数)、新株予約権(目的・数等)、賃貸借処理を行っている所有権移転外ファイナンス・リース取引
その他科目表示等に関する注記の簡素化
たな卸資産の区分表示(一括掲記した場合でも、第1四半期および第3四半期においては内訳の注記不要)、有形固定資産の減価償却累計額の表示(減価償却累計額を「有形固定資産」の科目、または各資産科目から直接控除し、控除残高を表示した場合でも、減価償却累計額の注記不要)、有形固定資産の減損損失累計額の表示(減損損失累計額を減価償却累計額に含めて記載した場合でも、その旨の注記不要)、たな卸資産及び工事損失引当金の表示(相殺した場合でも、相殺している旨および相殺表示したたな卸資産の金額の注記不要)、新株式申込証拠金の表示(株式の発行数等の注記不要)、販売費及び一般管理費の表示方法(一括して掲記した場合でも、第1四半期および第3四半期では内訳の注記不要)、法人税等の表示(一括した場合でも、その旨の注記不要)

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週刊「T&A master」398号(2011.4.11「SCOPE」より転載)

(分類:会計 2011.6.3 ビジネスメールUP! 1549号より )

 

 
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