誌上コンサル 先生、こんなときどうするの?
親子会社間での資産の集約(その1)「手法の多様化」

  青空税理士法人 税理士 大塚直子

平成22年度法人税法改正により選択肢の広がった手法@

平成22年度の法人税の改正
 平成22年度の法人税の改正において、新たに適格現物分配という定義が設けられ、組織再編税制の一部と位置づけられました。これにより適格要件に該当する場合には、譲渡損益を計上せず、受けた収益を益金不算入とするとともに、所得税の源泉徴収を不要にすることとしました。
 またグループ法人税制度が新たに設けられ、100%のグループ内法人間の資産の譲渡等による損益は、その譲渡を受けた法人において再譲渡等を行ったときまで繰り延べられることになりました。
 さらにグループ内法人間での寄附金については、寄附をした法人においては寄附金が損金不算入となり、寄附を受けた法人においては受贈益は益金不算入とされます。
 これらにより、例えば親子会社間で不動産を無税で移転させる場合に、選択肢が増えました。
子会社の持つ土地を親会社へ移転させる手法
 子会社S社の持つ土地を親会社P社へ無税で移転させる手法は、以下の通りとなります。
@ 譲渡(時価譲渡)
A 寄附(無償譲渡)
B 現物分配(利益剰余金の配当)
C 現物分配(資本の払戻し=資本剰余金の配当)
D 現物分配(自己株式取得)
E 無対価分割型分割
時価譲渡(図1参照)
 子会社S社は、土地をP社に譲渡します。親会社P社は土地を時価で取得します。この場合、本来は譲渡損益が発生しますが、平成22年度税制改正により、完全支配関係がある法人間で譲渡損益調整資産※を譲渡した場合の譲渡損益は、その譲渡を受けた法人において再譲渡を行ったときまで繰り延べられます。
※ 譲渡損益調整資産とは、固定資産、土地(土地の上に存する権利を含み、固定資産に該当するものを除きます)、有価証券、金銭債権及び繰延資産で一定のもの以外のものをいいます。
寄附(無償譲渡)(図2参照)
 子会社S社は、土地を親会社P社に寄附します。平成22年度の税制改正により、完全支配関係にある法人間で支出した寄附金の額は、損金不算入となり、受贈益も益金不算入となりました。

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週刊「T&A master」401号(2011.5.2「誌上コンサル 先生、こんなときどうするの?」より転載)

(分類:税務 2011.6.24 ビジネスメールUP! 1558号より )

 

 
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