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パチンコ器等の全額損金算入を認めず
東京高裁、使用可能期間1年未満の減価償却資産に該当しないと判断

・ 東京高裁、パチンコ器等は法令133条の使用可能期間1年未満の減価償却資産に該当しないと判断。
・ 「使用可能期間」は、個別の法人を基準として判断すべきではなく、法人が属する業種の一般的認識で判断すべきとした東京地裁判決を全面支持。

 今回の事案は、パチンコホールを運営する法人が事業の用に供していたパチンコ器等について、使用可能期間が1年未満の減価償却資産に該当するとして、営業供用時に取得価額全額を損金算入して申告したところ、原処分庁が、固定資産に計上して減価償却をすべきものとして更正処分等を行っていたもの。原審では、本事案のパチンコ器等が法人税法施行令133条が規定する使用可能期間が1年未満の減価償却資産に該当しないと判断されたことから、納税者が控訴をしていた。
 原審の東京地裁判決では、法人税基本通達7−1−12(使用可能期間が1年未満の減価償却資産の範囲を規定)に沿って、法人が属する業種を基準として、一般的に消耗性のものとして認識されているか否かにより判断すべきであると指摘。そのうえで、パチンコホールの業種を通じた共通認識として、控訴人がパチンコ器等を取得した時において、通常の管理等をするものとした場合に、営業供用時から1年未満の期間内に経済的に使用することができなくなると予測されていたとの事実は認められないと判断した。また、平成18年にパチンコ業界の関連団体が策定した会計処理基準では、その経済的使用期間(設置・営業供用開始から撤去・営業供用終了まで)が1年内である旨指摘し、パチンコ器等は原則として営業供用時に全額費用処理する旨が規定されている。
 この点について東京地裁は、会計基準策定時において、直ちに、パチンコホールを運営する法人が一般的に会計基準のとおりの認識を有していたと認めることは困難であると指摘している(納税者が、パチンコ器等の取得価額を全額損金算入した事業年度において、営業供用時に全額費用処理する旨明記した会計処理基準は発効されていない)。
 東京高裁第16民事部の奥田隆文裁判長は、本事案のパチンコ器等は法令133条所定の「使用可能期間が1年未満である」減価償却資産に該当することはできないとして、東京地裁判決を全面的に支持し、納税者の控訴を棄却している(平成23年(行コ)第175号)。なお、控訴人は、上告および上告受理申立手続を行っている。

 

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  キーワード 「パチンコ」⇒47

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(以上、最新順)  

 

週刊「T&A master」432号(2011.12.26「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2012.2.22 ビジネスメールUP! 1649号より )

 

 
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