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取引相場のない外国法人株式の評価示す
原則、類似業種比準方式に準じた評価はできず

・ 国税庁が質疑応答事例で取引相場のない外国法人株式の評価を示す。
・ 取引相場のない外国法人株式は、原則として、類似業種比準方式に準じた評価はできず。
・ 純資産価額方式に準じた評価での評価差額から控除する法人税額等相当額はその国の税率で計算。

 国税庁は1月17日、質疑応答事例を更新し、国外財産の評価において、取引相場のない外国法人株式の評価方法を明確化した。外国法人株式の評価については、事業承継税制において、認定会社が特別関係会社である外国会社株式を保有するケースに係る改正が行われた際も問題となったが(本誌344号4頁参照)、今回の質疑応答事例で、その評価が周知されたかたちだ。
 質疑応答事例を具体的にみると、取引相場のない外国法人株式を評価する場合については、原則として、類似業種比準方式に準じて評価することはできないと回答している。その理由は、類似業種株価等の計算の基となる標本会社が、わが国の金融商品取引所に株式を上場している内国法人を対象としており外国法人とは一般的に類似性を有しているとは認められないというものだ(下線:編集部)。
 上記の回答が、原則的な取扱いを示している点について、国税庁では、「外国法人の所在地と財産の所在が一致していない場合に、外国法人でも国内の類似業種に該当するケースが、理論上は考えられるため」としている。また、取引相場のない外国法人株式について純資産価額方式に準じて評価することは可能。その場合に控除すべき「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」は、その国において、わが国の法人税、事業税等に相当する税が課されている場合には、評価差額にそれらの税率の合計に相当する割合を乗じて計算することができる。
 そのほか、取引相場のない外国法人の株式を純資産価額方式に準じて評価する場合の邦貨換算について、質疑応答事例は、@原則として「1株当たりの純資産価額」を計算した後、「対顧客直物電信買相場」により邦貨換算。Aただし、資産・負債が2カ国以上に所在しているなどの場合には、資産・負債ごとに、資産については「対顧客直物電信買相場」により、負債については「対顧客直物電信売相場」によりそれぞれ邦貨換算したうえで「1株当たり純資産価額」を計算することもできるとしている。
 なお、Aでの計算で評価差額が生じた場合に控除する法人税額等相当額も、外国法人の本店等の所在地国で課されている税率を用いることとなる。

 

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  キーワード 「類似業種比準方式」⇒145

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(以上、最新順)  

 

週刊「T&A master」436号(2012.1.30「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2012.3.30 ビジネスメールUP! 1665号より )

 

 
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