敷地2年にわたる譲渡と措置法適用関係
取り壊し家屋は災害により滅失した家屋に含まれると定め
・ 家屋を取り壊し、その敷地を2年にわたって譲渡した場合、1年目に措置法35条、2年目に同法31条の3の適用可。
・ 措通31の3−5の「取り壊した家屋」は、災害により滅失した家屋に含まれる。 |
家屋取壊し後、敷地を2年にわたって譲渡した場合の措置法35条(居住用財産の3,000万円特別控除)と措置法31条の3(軽減税率の特例)の適用については、以下のような事例が考えられる。
Aは、X家屋(平成元年取得・国内所在)を平成22年8月に取り壊し、その敷地(平成元年取得)の一部を同年10月に第三者に3,000万円で譲渡。その譲渡で2,000万円の譲渡益が生じ、平成22年分の確定申告で措置法35条を適用。その後、Aは、平成23年5月に、その敷地の残りの部分(残地部分)を第三者に3,000万円で譲渡し、2,000万円の譲渡益が生じた。この残地部分に係る2,000万円の譲渡益について措置法31条の3を適用できるか。なお、Aは、平成元年から平成22年7月までX家屋に居住し、X家屋の敷地は、X家屋の取り壊し後、貸付けその他の用に供されていない。
この事例では、まず、残地部分が措置法31条の3第2項に規定する「居住用財産」に該当するかが問題となる。この点、事例の残地部分は、次の要件を満たすことから、「居住用財産」に該当する。@X家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超える、Aその譲渡に関する契約が当該家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、X家屋をその居住の用に供さなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されている、BX家屋を取り壊した後譲渡に関する契約を締結した日まで貸付けその他の用に供していない、CX家屋の所有期間がその取壊しの日の属する年の1月1日において10年を超えている。
また、居住用家屋の敷地の一部の譲渡については、措通31の3−18(2)が、災害により滅失した家屋の敷地の用に供されていた土地等の一部を譲渡した場合、その譲渡は、全て措置法31条の3第1項に規定する譲渡に該当し、この災害により滅失した家屋には、措通31の3−5に定める取り壊した家屋が含まれるとしている。よって、事例の残地部分はX家屋の敷地の一部であることから、残地部分の譲渡は措置法31条の3の適用対象となる。
なお、措置法31条の3の規定は、居住用財産を譲渡した年の前年または前々年に既に措置法35条の適用を受けている場合を適用除外としていない。
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キーワード 「家屋 取り壊し」⇒30件
(週刊「T&A master」454号(2012.6.11「今週のニュース」より転載)
(分類:税務 2012.8.31 ビジネスメールUP!
1724号より
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