第14回

日本版401Kの特性「ポータビリティー」A

 従来型確定給付企業年金では、個人口座という概念はなく、グロスでの運用により、企業が運用責任を負っている。一方日本版401Kにおいては、個人口座が設定され、加入者一人一人の持分が明確になっており、自己責任意識をいやがおうでも持たざるを得ない。そうした内容について更に主体性のあるものとする為、「ポータビリティー」、つまり転職先に持運ぶことの自由度を与えている。

  ただ活用の難点としてのデメリットもある。
  例えば、日本版401Kは米国401Kと違い、積立金の中途引出を認めないし、借入も出来ず、転職時に強制的に移換をされてしまう。あくまでも「老後資金用の引出し」としての位置づけなのである。  

  それに比べ米国401Kはペナルティータックスを支払えば積立金の中途引出、更に借入が可能となっているのである。比較すると選択肢が少ないことによる窮屈さは否めない。 また、転職先の状況しだいでは、ポータビリティーの効果が期待出来にくい場面もある。  

  特に企業型加入者が、日本版401Kを実施しておらず、従来型企業年金のある会社へ転職した場合は、追加拠出が企業型、個人型いずれにおいても出来ず、その制度が十分活用されないこととなってしまう可能性がある。

2002.5.27 ビジネスメールUP! 294号より )

 

 
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