第51回

キャッシュバランスプランD

 キャッシュバランスプランは、確定給付型年金の一つでありながら、掛金(元本)に加えて利息とする期待運用収益を固定化することなく、国債等の客観的指標による利回りに連動させる為、企業にとっては退職給付債務の発生を少なくすることが出来る。従って、昨今のように極めて運用環境の悪化している時代にあっては、従来型確定給付に比べ企業の後発債務発生を軽減させる効果がある。
 一方、従業員にとっては、運用責任が企業サイドに所在するので、日本版401K制度のように自らが行う運用の巧拙しだいで年金額が決まるといった運用リスクは負わない。又従来不透明であった個人別資産残高が仮の姿ではあるが概ね公開され、自分のライフプラン上の管理、見通しに資することもメリットと言える。ポータビリティーについても一定の条件下で可能だ。
 確定給付企業年金間もしくは、確定給付企業年金から厚生年金基金において認められており、厚生年金基金間もしくは厚生年金基金から確定給付企業年金へのポータビリティーは認められない。


※年金財政運営の基本 掛金 + 運用収益 = 年金給付
                 A      B          C

(1)確定給付型  A  + B   = C(確定)
 Cが固定されている為Bが下がればAを上げて財政均衡を図らざるを得ない。

(2)確定拠出型  A(確定) + B ↓  = C ↓
 Aが固定されている為Bが下がれば、結果Cが下がる。元本割れの可能性有。

(3)キャッシュバランス  A(確定) + B   = C(変動)
 Bが下がれば、Cも下がるが利回りは国債に連動する為最低元本+αは見込める。


2003.2.17 ビジネスメールUP! 394号より )

 

 
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