脱税を告発しても従業員は保護されず

 

 公益通報者保護法が6月18日に公布された。企業不祥事が内部告発により発覚することが相次ぐ中、労働者などが公益のために通報したことを理由として、解雇等の不利益な取扱いを受けることがないようにするものだ。

ただ、通報対象となるの法律は、刑法、食品衛生法、証券取引法、JAS法、大気汚染防止法、廃棄物処理法、個人情報保護法の7つの法律の他、「個人の生命又は身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法律として政令で定めるもの」に限られている。

現在、内閣府では、対象法律を定める政令について検討中であり、12月頃を目処に政令案を公表する予定だが、法人税や所得税などの税法については対象外となる模様だ。例えば、従業員が経営者の脱税を告発したとしても、公益通報者保護法の適用対象外ということになる。したがって、告発により、解雇や降格、減給などを受けたとしても同法による保護を受けることができないわけだ。内閣府では、脱税による被害は国が受けるものであり、個人の生命又は身体の保護など、通報対象となる要件に該当しない旨を説明している。しかし、税法が対象外となることについては、法案作成前からも批判があった点であり、政令案確定までの動向が注目される点だ。

なお、公益通報者保護法の施行日については、平成18年4月1日とする方向で検討が行われている。

 

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(分類:税務 2004.10.6 ビジネスメールUP! 624号より )

 

 
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