“ヘイブン”ご存知でした？

　先日、国際課税関係のあるセミナーを受講しました。その際、講師の先生が「私が国際課税を勉強し始めた頃、タックス・ヘイブンのヘイブンを“パラダイス”とか“天国”だと思っていました。税金天国ですね。」とおっしゃいました。「それでいいんじゃないの。」と思ったのも束の間、「この『ヘイブン』は天国の意味ではなかったんですね。嵐に遭うなどで船が港に一時寄港する意味で、税金天国と思っていた私は恥ずかしくなりました。」とおっしゃいました。

　20年弱、ヘイブンが「天国」であると毫も疑っていなかったこちらは、もっと恥ずかしいやら、びっくりするやらで顔から火が出るような思いでした。

　セミナーから戻って調べましたところ、天国はheaven［ヘブン］で、タックスヘイブンのヘイブンはhaven[ヘイブン]で、寄港とか避難などの意であり、shelterが類義語としてありました。考えてみれば、タックスヘイブンは課税すべき利益がチャラになるものではなく、課税（嵐）から逃れ一時留め置いているだけですから、havenの方がピッタリくるわけです。
　税金天国、税金パラダイスと思っていた読者の方は多いのではありませんか？

通達を発見？
　税務・会計・商法となると、難解な専門用語が飛び交いますが、ちょっと不思議な言葉もあります。よく「国税庁が法人税基本通達を発遣し…」などの記載がありますが、先日、読者の方から「このハツイとはどういう意味ですか？」というお電話を頂戴しました。発遺に見えなくもありませんが、「はっけん」です。と申し上げると、「どうして公開とか公表とか使わないのですか」と指摘され、答えに窮したことがありました。

　確かに、ワープロで発遣を入力するときには「けんとうし」などで入力し「遣」をあてています。「はっけん」とまともに打てば、発見や発券しか候補になりません。「昔から使っているから」とかの言い訳は考えられますが、本当は「発遣」の使用根拠を調べなきゃいけないのです。発遣の根拠を発見されている方、是非ともお教えください。（Y）

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（週刊「T＆A master」109号(2005.4.4「ここだけの話」より転載）

（分類：その他　2005.4.25　ビジネスメールUP! 700号より )