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全面改定となる日英新租税条約が基本合意
使用料や一定の親子間配当は源泉地国免税に

 

 政府は7月1日、英国政府との間で日英新租税条約の締結に係る基本合意に至ったことを明らかにした(5月26日に基本合意)。新条約は、現行条約を全面的に改めるもので、日英間の配当、利子及び使用料の支払における源泉地国課税(源泉徴収税率)が大幅に引き下げられる。特に使用料や一定の親子間配当及び金融機関の受取利子については源泉地国免税となる。詳細については、現時点で未確定な部分もあるが、今後、両国政府における手続を経た上で署名し、条約の内容が確定する。早ければ来年にも発効する見込みだ。

日米租税条約がモデル
 今回の改正は1980年の一部改正以来、25年ぶりのこと。第1回目の正式交渉は昨年11月に東京で行われた。基本合意された内容は、昨年3月に発効された日米租税条約がモデルとなっており、ほぼ同様のものとなっている。

持株割合については今後の課題
 新条約の最大のポイントは、@使用料(著作権や特許権等)、A金融機関等の受取利子、B一定の親子会社間配当について、源泉地国課税が免税とされる点だ。ただし、一定の親子会社間における持株割合については、今後、詳細を詰めるとしている。米国は、英国との間では持株割合を80%以上としている一方、日本との間では、50%超であれば免税(10%以上50%以下は5%)としている。いずれにしても、一定の親子間であれば免税あるいは5%課税に整理する。

移転価格税制の英国による税務調査は7年
 その他では、移転価格税制における英国課税当局による日本企業への税務調査の遡及期間は「7年以内」に制限される方向。これは、日本の法人税法上、帳簿書類等の保存期間が最長7年とされていることとの整合性を図ったものだ。
 また、新条約には、特典制限条項(免税措置の拡大に併せて租税回避行為を包括的に防止する措置)が盛り込まれる。ただし、上場企業は適用対象外となる方向。なお、在英邦銀等支店に係る支店利子税も免税となる模様だ。

遅くとも来年の通常国会で審議開始
 今後のスケジュールとしては、両国政府における手続を経た上で署名し、条約の内容が確定。日本の場合は、国会での審議を経て新条約が発効することになる。遅くとも来年の通常国会において条約の審議が行われる予定だ。
 なお、財務省では、今後もヨーロッパ諸国に対して、日本にとって重要と思われる国から順次、改正作業を行う方針だ。

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  キーワード 「源泉地国課税
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週刊「T&A master」122号(2005.7.11「最重要ニュース」より転載)

(分類:税務 2005.8.22 ビジネスメールUP! 743号より )

 

 
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