相続税の課税割合は9年連続減少の4.2%
海外資産関連の申告漏れ課税価格は大幅に上昇

 国税庁は12月19日、「相続税の申告事績(平成16・15年分)及び調査事績(平成16事務年度分)」を公表した。相続税の課税割合は、地価下落の影響を受け、基礎控除の引上げ等があった平成6年分以降最低水準の4.2%となった。調査は13,760件(対前事務年度比7.6%増)実施され、申告漏れ課税価格は4,003億円(同3.7%増)だった。なお、海外資産関連の申告漏れ課税価格は129億円(同42.3%増)と大幅に上昇している。

調査では現金・預貯金等に重点
 平成16年中の被相続人数は約103万人、相続税の課税対象となった被相続人は約4万3千人で、課税割合は4.2%(対前年分0.2%減少)だった。また、相続財産額の構成比では、土地の割合が平成4年分の75.9%から連続して減少する一方、現金・預貯金等の割合が7.4%から約20%にまで増加している。この傾向を受け、調査においても現金・預貯金の把握に重点が置かれ、申告漏れ相続財産額の構成比では現金・預貯金等の割合が37.6%と最も高くなっている。

申告漏れ課税価格は4,003億円
 平成16事務年度の調査件数は、13,760件(対前事務年度比7.6%増加)行われた。譲渡所得に対する調査件数が減少した分、相続税の調査が増加したものとみられる。調査件数のうち申告漏れのあった件数は11,895件(同6.1%増加)、申告漏れ割合は86.4%(同1.2%減少)だった。また、申告漏れ課税価格は、4,003億円(同3.7%増加)となっている。

海外資産の申告漏れ課税価格は129億円
 海外資産関連事案の調査は255件が行われ、申告漏れ件数は197件だった。注目されるのは申告漏れ課税価格で、対前事務年度から42.3%増加の129億円となり、これを1件当たりで見ても6,529万円(前事務年度比53.2%増加)と大幅に上昇している。国税庁は、国際税務専門官の設置等で海外資産の把握を進めた結果としている。

[事例]海外預金を申告から除外
 被相続人(元開業医)の生前の収入に比し、申告財産が過少ではないかと想定されたため調査選定。銀行調査を行ったところ、外貨預金口座からハワイの公表外銀行へ送金している事実を把握。さらに綿密な調査を行い、公表外のカリフォルニア、ハワイ及び国内金融機関の預貯金が申告漏れとなっていることが判明した。相続人は相続開始後に当該預貯金を解約し、海外送金や名義変更等の隠蔽工作を行い、申告から除外していた。
 この事例での申告漏れ課税価格は3億400万円、追徴税額9,000万円。

 

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週刊「T&A master」144号(2005.12.26「最重要ニュース」より転載)

(分類:税務 2006.2.1 ビジネスメールUP! 804号より )

 

 
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