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期間税では納税義務の不利益変更に該当せず
東京地裁は遡及適用に合理性を容認し、違憲無効を斥ける

東京地裁民事第2部(大門匡裁判長)は2月14日、平成16年度税制改正における土地、建物等の譲渡損失を他の所得から控除することを廃止する改正が、当該改正法の施行時期より前の平成16年2月に行われた土地建物の譲渡に適用することの可否が争点となった事案に対して、「本件改正附則27条1項は、憲法84条、30条から導かれる租税法律主義に反しない。」などと判示し、更正すべき理由がない旨の通知処分を適法とする判決を言い渡した。
 1月26日には、同種の事案に対して、福岡地裁が違憲無効判決を言い渡しており、第1審の判断が分かれることになった。

事案の概要
 本件は、原告らが、その平成16年分所得税につき、同年2月に土地および建物を譲渡したことに伴う譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額を所得税法69条1項の規定に従い他の各種所得の金額から控除すべきであるとして更正の請求をしたところ、各処分行政庁が、更正をすべき理由がない旨の通知処分をしたことから、原告らが、上記損失の金額が生じなかったものとみなす改正措置法の規定を同年1月1日にさかのぼって適用するものとする同改正法附則は租税法律主義を定めた憲法の規定に違反するから、上記通知処分も違法となると主張して、それらの取消しを求めた事案である。

裁判所の判断
 福岡地裁が、所得税が期間税であることについて、「遡及適用に当たるかどうかは、新たに制定された法規が既に成立した納税義務の内容を変更するものかどうかではなく、新たに制定された法律が施行前の行為に適用されるものであるかどうかで決せられるべきである。」と判示したのに対し、大門裁判長は、「本件改正附則27条1項により改正措置法31条1項後段の規定を平成16年1月1日から同年3月31日までに行われた譲渡について適用したとしても、納税者の平成16年分所得税納税義務の内容自体について着目するならば、さかのぼって不利益に変更されたということはできない。」と判示し、期間税においては、暦年の途中に改正され、これがその年分の所得税について適用される場合、改正時点では納税義務が成立していないため、「納税義務の不利益変更には該当しない。」との判断が示された。
 さらに、本件改正附則27条1項の合理性の有無について、「遡及適用をすることに合理的な必要性が認められ、かつ、納税者においても、既に平成15年12月の時点においてその適用を予測できる可能性がなかったとまではいえないのであるから、これらの事情を総合的に勘案すると、当該変更は合理的なものとして容認されるべきものである。」と判示して、原告の違憲無効の主張を斥けた。

 

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登録日
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週刊「T&A master」248号(2008.2.25「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2008.4.14 ビジネスメールUP! 1112号より )

 

 
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