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収用等の特別控除と居住用財産の特別控除の重複適用は不可
審判所、家屋と敷地の譲渡を一の譲渡として判断
国税不服審判所は、居住用財産の譲渡に係る譲渡所得について、土地の譲渡について収用等の特別控除、土地上の家屋の譲渡について居住用財産の特別控除を受けることができるか否かが争われた事案で、当該家屋の譲渡については居住用財産の特別控除を受けることができないと判断した(大裁(所)平20第63号)。
土地・家屋の譲渡から確定申告までの経緯
請求人は、父の死亡に係る相続により、家屋および当該家屋の敷地である土地を取得した。その後、平成17年8月、Xとの間で当該家屋について、Yとの間で当該土地について、それぞれ売買契約を締結し、平成18年3月26日にX・Yに対する売買を原因とする所有権移転登記を経由したうえで、平成18年3月31日にX・Yにこれらの全部を引き渡した。
請求人は、平成19年3月13日および同月14日に原処分庁の担当職員に対し、平成18年分の所得税の確定申告にあたって、当該家屋・土地の譲渡に係る譲渡所得の申告手続等の相談をしたところ、その職員から土地の譲渡については、収用等の特別控除を受けることができるが、家屋の譲渡については、同控除は受けることができないものの、居住用財産の特別控除を受けることができる旨の指導を受けた。
請求人は、平成19年3月14日にこの申告指導に従って作成した平成18年分の所得税の確定申告書を提出し、その際、公共事業用資産の買取等の申出証明書、公共事業用資産の買取り等の証明書、収用証明書および譲渡所得の内訳書を添付した。
原処分庁は修正申告を慫慂
原処分庁は、平成19年8月27日に請求人に対し、修正申告書に特例適用条文を記載し、登記事項証明書等の必要書類を添付して提出した場合には居住用財産の軽減税率が適用できる旨の説明をしたうえで、修正申告を慫慂(しょうよう)したが、請求人が修正申告しなかったため、同年9月19日付で、居住用財産の軽減税率を適用せずに、更正処分をした。
請求人、適用要件を具備していると主張
審査請求において請求人は、当該家屋の譲渡が居住用財産の特別控除を受けるための要件を具備しているため、家屋の譲渡について、居住用財産の特別控除を受けることができると主張。
一方、原処分庁は、措置法35条1項の規定から、家屋とともにその敷地を譲渡した場合には、当該譲渡は一の居住用財産の譲渡となるため、土地の譲渡について収用等の特別控除の適用を受けた場合には、家屋の譲渡について、重ねて居住用財産の特別控除を受けることはできないと主張した。
一の譲渡としての判断が趣旨に沿う
審判所は、まず居住用財産の特別控除の特例(措置法35条1項)の規定が居住用家屋についての特別の定めであることから、当該家屋およびその敷地の譲渡がともになされた場合についてもこれを一の譲渡と解し、居住用財産の特別控除を受けるか否かについても、一の譲渡として判断するのがその趣旨に沿うものと解され、同項の「家屋とともにする」との文言も上記のような趣旨を規定したものと解することができると判断した。
昭和45年以後の改正でも解釈の変更なし
さらに、措置法35条の改正内容について判断(下掲参照)したうえで、居住用家屋およびその敷地をともに譲渡した場合に、居住用財産の特別控除を受けることができるか否か、居住用財産の特別控除の除外要件に該当するか否かは、これらの譲渡を一の譲渡として判断すべきであり、一方の譲渡について居住用財産の特別控除の除外要件に該当する場合には、他方の譲渡についても同除外要件に該当し、居住用財産の特別控除を受けることはできないものと解するのが相当であるとした。
土地・家屋の譲渡はともにされたと認定
そして審判所は、本事案について、土地および家屋は、買主は異なるものの、両者は密接な関係にあり、かつ、売買契約の締結、移転登記手続および引渡しはいずれも同一日にされていることから、土地の譲渡と家屋の譲渡はともにされたものであると認定。
そのうえで、居住用財産の特別控除を受けるか否か、また、居住用財産の特別控除の除外要件に該当するか否かは、土地の譲渡および家屋の譲渡を一体の一の譲渡として判断すべきであるところ、請求人は、土地の譲渡について収用等の特別控除を受ける者として確定申告をしているから、同譲渡とともにされた家屋の譲渡については居住用財産の特別控除を受けることはできないと判断した。
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(週刊「T&A master」329号(2009.11.9「今週のニュース」より転載)
(分類:税務 2010.1.27 ビジネスメールUP!
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