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合格率は過去最低の6.4%に
新公認会計士試験制度の歴史を振り返る

 公認会計士・監査審査会が11月14日に公表した平成23年公認会計士試験の合格者発表によると、合格者は1,447人(前年1,923人)、合格率は6.4%(前年7.6%)と減少(旧2次試験合格者等を含めた合格者数は1,511人(合格率6.5%))。合格率は新試験制度となった平成18年以来最低となった。いわゆる待機合格者の問題を踏まえ、平成23年以降の公認会計士試験の合格者は1,500人から2,000人程度で運用することとされており、今回も合格者を絞り込んだ格好だ。今後、金融庁では、実務経験の範囲の見直しなど、公認会計士試験合格者が資格を取得しやすい環境整備を行っていくこととしている。

平成20年には合格者が3,000人超に
 平成15年の公認会計士法の改正により、平成18年1月から新公認会計士試験制度が実施された。内部統制報告制度や四半期報告制度の導入などによる公認会計士の必要性もあり、平成17年で1,308人だった合格者が平成20年では3,024人(合格率15.3%)にのぼっている(次頁図表参照)。

待機合格者問題が浮上
 しかし、平成21年には公認会計士試験に合格しても2年間の実務経験を積めないために資格を取得できないいわゆる“待機合格者”の問題が浮上。合格者数が増加するなか、これまでは内部統制報告制度などの仕事の増加とあいまって、監査法人で合格者を吸収してきたが、今後は監査法人においても合格者の採用を減らさざるを得ない状況となった。
会計士法改正見送りで対策なし
 このため、金融庁は、平成21年12月に公認会計士制度に関する懇談会を設置。待機合格者対策について検討を行った。その後、会計分野のプロフェッショナルとなる新たな資格である「企業財務会計士」の創設などを盛り込んだ公認会計士法等の一部改正案が今年4月に国会に提出されたものの、自民党の反対を受け、すべて見送りとなった。企業財務会計士だけでなく、公認会計士試験制度の見直しも実現されないこととなり、待機合格者対策が何も手当てされないままとなっているのが現状だ。
資本金5億円未満の開示会社でもOKに
 待機合格者の問題は、監査法人等への就職ができないため、資格要件とされる実務経験が満たせないことだ。
 このため、金融庁では、実務経験の範囲の見直しに着手。来年の4月を目途に内閣府令などを改正する方針だ。
 具体的には、現行、資本金5億円以上の法人で実務経験を行う必要があるとされているが、資本金5億円未満の開示会社や開示会社の連結子会社(海外子会社を含む)での実務経験も対象とする。また、国・地方公共団体における実務経験の場合、財務分析に関する事務も対象とする。
 そのほか、正規職員以外(有期雇用)の場合であっても実務経験として認める旨を明確にするとしている。

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  キーワード 「公認会計士制度」⇒69

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週刊「T&A master」427号(2011.11.21「SCOPE」より転載)

(分類:会計 2012.1.25 ビジネスメールUP! 1637号より )

 

 
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