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「仏作って魂入れず」の社外取締役の義務付け 〜オリンパス問題 U

外見上のガバナンスは文句なしだが……
 大手証券会社、大手マスコミ、医学部の大学教授と錚々たる経歴を持っているのがオリンパスの社外取締役の3人だ(後者2人は今年6月の株主総会で就任)。
 会社法上、監査役設置会社については、社外取締役の選任は義務付けられていない。オリンパスは監査役設置会社でありながら、義務付けがされていない社外取締役を3人選任しているわけである。外見上はわが国でもトップレベルのガバナンス体制といえそうだ。
 しかし、同社の粉飾決算問題に関して、3人の社外取締役については、問題を告発した元社長のウッドフォード氏の解任に賛成するなど、社外取締役としての機能が果たせていたのかという疑問符が付されている。

不正を隠す取締役には対抗できず
 法制審議会の会社法制部会では、会社法の見直しを行っており、社外取締役の選任の義務付けや独立性の要件強化も見直しの論点に挙がっている。これら以外にも、取締役会の監督機能の強化という観点から監査・監督委員会設置会社制度(過半数の社外取締役が必要)の創設が検討されている。
 今回のオリンパスの粉飾決算問題が、今後の会社法の見直し議論にも影響を与えることは必至。社外取締役に関して、何らかの見直しが行われることは十分想定される。
 確かに形式上のガバナンスを整備することは1つの解決方法である。しかし、オリンパスのように社外取締役を3人選任しても事件が起きる時には起きてしまう。形式上のガバナンスだけでは不正を隠そうとする取締役らには対抗できない。これは過去の粉飾決算事件を振り返ってみても明らかだ。
 たとえば、金融商品取引法では、有価証券報告書の虚偽記載を行った場合の罰則については、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金(または併科)とされている。今後も粉飾決算事件は起きるだろうが、取締役や監査役らに“魂”を入れるためには、不正行為に対するさらなる罰則の強化など、何らかの対策が必要といえる。

インセンティブのねじれ解消の効果はあるのか?
 会計監査人の選任・報酬決定権を監査役等へ付与することも会社法見直しの論点の1つ。会計監査の対象である会社の経営者が、公認会計士等の会計監査人の選任議案の決定権限を有し、監査報酬を決定するという現行制度の問題点、いわゆる“インセンティブのねじれ”の解消を目指すものだ。日本公認会計士協会がその実現を要望している。
 ただ、同協会が平成21年11月30日に公表したアンケート調査結果では、監査役等に監査報酬の決定権を付与すべきではないと回答する会社が421社(45.1%)と付与すべきであると回答した413社(44.2%)を上回っている。
 形式上の独立性だけでは会計監査人の独立性は担保できないということを如実に表している結果といえないだろうか。

 

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コラム

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(以上、最新順)  

 

週刊「T&A master」428号(2011.11.28「コラム」より転載)

(分類:会社法 2012.2.1 ビジネスメールUP! 1640号より )

 

 
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