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会計士業界に迫る前門の虎、後門の狼
直面する待機合格者の問題
会計士業界にとって早急な解決が求められているのがいわゆる“待機合格者”の問題だ。公認会計士試験の論文式試験に合格しているにも関わらず、資格要件とされている実務要件を満たすことができずに会計士になれない合格者が約900人いるといわれている。
平成18年1月からの新公認会計士試験制度により、1,300人程度であった合格者が平成20年には3,000人を突破。内部統制報告制度などの仕事の増加とあいまって、大手監査法人が大量の合格者を吸収。監査法人へ就職することで実務要件を満たすことができたわけだが、昨今では、大手監査法人でもリストラに加え、新規採用を絞り込んでいる状況だ。
昨年の通常国会では、公認会計士法の改正が自民党の反対により見送りになったことに伴い、企業財務会計士の創設や試験制度の見直しも実現されないことになった。金融庁では、今年4月にも実務経験の範囲の見直しを行う予定だが、待機合格者問題が解決するわけではない。
改正前の1,300人を下回る可能性も
このようななか、金融庁では、平成24年以降の会計士試験の論文式試験合格者を平成23年の1,511人よりもさらに抑えるべきとの考え方を明らかにしている。受験予備校の関係者からは1,000人程度とすべきとの意見が聞かれるが、受験者数がこのまま減少することになれば、新試験制度前の合格者数である1,300人を下回る可能性も出てきている。
合格者が減ることになれば資格試験としての魅力を失う一方、合格者を増やせば待機合格者が増えるという悪循環に陥る可能性がある。金融庁をはじめ、関係者は難しい舵取りを迫られることになる。
税理士登録する会計士の増加を懸念
迫り来る問題が税理士法の改正だ。日本税理士会連合会が能力担保措置の導入を主張していることである。具体的には、無試験で税理士資格を取得することができることとされている会計士に対して、税理士試験の税法科目のうち法人税法あるいは所得税法のいずれか1科目について合格を求めている。
日本公認会計士協会では、論文式試験で租税法が必修科目となっていることや税理士制度のあるドイツ・韓国でも会計士の資格のもとで税理士業務ができるなどと主張。すでに会計士の7割超から署名を集めるなど、税理士会の主張に反対している。
現在、税理士登録している会計士は約7,000名にすぎないが、税理士会では、会計士合格者数の増加に伴い、税理士登録する会計士の増加を懸念。両者の主張の隔たりは大きいままだ。
ただ、平成23年度に続き、平成24年度税制改正大綱でも資格取得のあり方も含めた税理士制度の見直しの検討が盛り込まれているのは紛れもない事実。外堀は埋まりつつある。どのような改正となるのかは未知数だが、近い将来、会計士業界が待ったなしの対応を迫られる問題であることは間違いなさそうだ。
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キーワード 「会計士 合格者」⇒126件
(週刊「T&A master」434号(2012.1.16「コラム」より転載)
(分類:会計 2012.3.12 ビジネスメールUP!
1657号より
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