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事務所明渡移転料の所得区分で取消裁決
審判所、弁護士が受領した明渡移転料の一部を一時所得と判断
・ 弁護士業を営む審査請求人が事務所移転に伴い受領した金員の所得区分で一部取消裁決。
・ 審判所は、明渡移転料として受領した金員の一部につき、事業所得ではなく一時所得と判断。
・ 明渡しのために支出した費用を除く部分の金額を事業所得に係る必要経費の補てんと認めず。 |
本事案で所得区分が争われたのは、弁護士業を営む請求人の事務所移転に際して、明渡移転費用および新事務所の賃料・共益費・空調等雑費の差額補てん費用の一部として支払われた金員について。
審判所は、所得税法27条2項等の解釈として、事業所得に係る必要経費の補てん金の支払いを受けた場合、その金額を事業所得の収入金額に算入しなければ、担税力に応じた公平な課税を目的とする所得税法の立法趣旨を損なうことになると指摘。事業所得に係る必要経費の補てん金額に相当する金額についても、事業所得の収入金額に含まれると解するのが相当とした。
そのうえで、本件賃料等差額補てん金について、@差額補てん金を受領するための条件が、支払期日以降も新事務所の賃貸借契約を継続していることのみで、実際に旧事務所と同程度の事務所を新たに賃借することは受領条件でないこと、A差額補てん金と実際の賃貸料差額が異なる場合に、余剰金の返還義務を負担する旨や不足金額の追加請求をすることができる旨の合意がないことなどから、賃料等差額そのものを直接的に補てんする趣旨で支払われたものではなく、新事務所の賃貸借契約の継続を条件に、請求人が支払う新事務所の賃料等の一部、すなわち請求人の事業所得に係る必要経費を補てんする趣旨で支払われたものと認定。当該差額補てん金のすべてを請求人の事業所得の総収入金額に算入すべきであるとした。
明渡移転料については、請求人が旧事務所を明け渡すために引越費用・電話工事費用の各費用(合計161万542円)を支出しており、請求人が受領した金員のうち、この旧事務所を明け渡すための費用に相当する金額は、請求人の事業所得に係る必要経費を補てんするために支払われたものと認定した。一方、明渡移転料のうち161万542円を除く金額については、旧事務所を明け渡すための各費用以外の額をその算定根拠としたことが明らかとはいえないと指摘。161万542円を除く金額に相当する金員は事業所得に係る収入金額または必要経費を補てんするために支払われたものと認められず、事業所得の総収入金額に算入すべき金額ではないと判断した。
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(週刊「T&A master」441号(2012.3.5「今週のニュース」より転載)
(分類:税務 2012.5.14 ビジネスメールUP!
1681号より
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