平成14年度税制改正となる「租税特別措置法等の一部を改正する法律」(法律第15号)と「地方税法の一部を改正する法律」(法律第17号)が3月31日に公布された。原則として4月1日から施行されている。
法人税関係では、交際費課税の見直しの他、自己株式の処分時の取扱いが決まっている。自己株式は10月1日施行の商法改正により取得・保有が原則自由となったもの。処分時については、資本等取引に該当するものとして非課税措置が講じられることになる。
所得税関係では、老人マル優制度の廃止(平成18年1月1日施行)や平成15年1月から申告分離課税へ一本化されることに伴い、個人投資家の申告負担を減らすために申告不要制度が盛り込まれている。これは、証券会社が特定口座において、所得税を徴収し納付する方法。証券会社が年間取引報告書を作成し、税務署長に提出することにより、投資家は従来通り確定申告をしなくてもよいことになる。
ストック・オプションについては、商法改正により第三者に対しても付与することが可能になったことを受け、税制上も商法上の50%超子会社の従業員、役員に権利を付与した場合には税制適格として、売却時まで課税の繰延べができることになった他、権利行使価額は現行の年間1,000万円から1,200万円に拡大されている。事業承継税制については、「取引相場のない株式等の相続税の軽減措置の創設」が盛り込まれている。これは、取引相場のない株式等のうち、発行済株式等の総数の3分の1以下の数の株式等で、かつ当該株式等の価額のうち3億円を限度として、相続税の課税価格を10%減額するというもの。ただし、同特例を適用した場合には、小規模宅地特例は適用できないことになる。
また、地方税関係では、個人住民税における株式等譲渡益に係る申告不要制度の創設や固定資産税における縦覧制度の見直しが行われている(ビジネスメールUP!♯241、254参照)。
本日のニュース
平成14年度税制改正法案が3月31日に公布
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